■■ 三嶺〜西熊山(徳島・高知県) 2006.05.03  ■■
ゴールデンウィークに徳島のゴールデンルートを歩く!
以前からずっと気になっていた、一冊の本の表紙の写真。
山と渓谷社のアルペンガイド・四国の山は、山歩きを再開した当初に購入し
いつも読んでいたが、写真の稜線がどこの山か全く判らずにいた。。
今回GWに大好きな三嶺に登ってみようと決めて、HP仲間のみなさんのレポートを
見ているうちに、reikoさんやkyoさんのレポートに、この写真の稜線が写っていた。
「西熊山からの三嶺!」長年の疑問が一気に解け、
是非自分の目で見てみたいと出かけてみた。
でも、このところ腰の痛みが慢性化し、おまけに名頃から登山口までは通行止めで
必然的に歩く距離は延び、果たして歩けるだろうかと不安なまま5時前に家を出た。
見の越し手前で三嶺が見える 初めて見る、名頃の駐車場 林道歩きのスタート
走りなれた貞光から見の越経由で名頃まで約2時間20分。
名頃の橋を渡ると初めて見るりっぱな駐車場。
すでに10台以上の車が停まっていたが、GWのせいか四国外の車が半数以上を占めていた。
手早く準備を済ませて7時30分に駐車場を後にし、林道を歩き始めると、直ぐに猪牧場の
横に着く。柵の向こうには、林道から運び出された土砂が、
大きな山となって積まれていた。
エントツ山さんのレポートで、この林道の台風被害は知っていたけれど
歩き進むにつれ、ますます道の状態は酷くなっていく。

崩れた連動の土砂置き場 この辺りは直ぐにも又崩れそう
道の谷筋のほとんどから土砂が流れ出し、なぜか山側にガードレールが埋もれていた。
1時間は掛かるかなと思った林道歩きも、35分程度でいつもの登山口に到着。
ここもまだ土砂で林道の表層が埋もれている。
埋まったガードレールが痛々しい 下の登山口にも未だ残土が!
登山口のベンチで大阪から来た人と浜松から来た人と話をし、少し一服した後にスタート。
ダケモミの丘までの登りでも、数箇所大きく崩れた箇所があった。
いつものように沢の水の音が聞こえなくなり、前方の上部に空が見え始めると
ダケモミの丘に到着する。ここでバナナを一本とタバコを一服。
ブナの林を登っていく 50分ほどでダケモミの丘に 急登の途中にある1,600mの標識
一息入れたあとに歩き始め、しばらくは割りと平坦な道を進むが
段々と勾配は急になり始める、
今日は膝にサポーター、手にはストックのフル装備。ストックを短めにして
腰に負担が掛からないように、ゆっくりと登っていく。
1,600mの標識を過ぎ、「たぬきのかんざし?」の標識を過ぎると
樹林帯を抜け、足元に岩が表れ始める。
振り返ると、剣と次郎がくっきりと見える、前を見ると三嶺大岩が見え始める。
後もう少し!
剣山へと続く稜線 ガレ場に来ると山頂ももう直ぐ!
考えてみると2年半ぶりの三嶺。
でもあの大岩は変わらずに出迎えてくれた。
空は雲ひとつない青空。白髪〜丸石〜高の瀬までの稜線もくっきり見える。
大岩の足元には笹原が続いている 山頂池、直下の大岩
最後の急登を上りきると、いつもの池に雪渓がまだ残っていた。
いつもなら避難小屋に立ち寄るのだけれど、今日は写真を撮っただけで
そのまま山頂へと向かっていく。
最後の階段を乗越すと突然表れる山頂池。何時見ても新鮮です。
定番の山頂手前から、避難小屋を望んだ展望
振り返っては笹原と避難小屋を眺め、コメツツジの道を歩いていく。
二つのレリーフの横を通り過ぎて、約3時間で山頂に到着した。
既に何人かの人たちが休憩をしていたが、思ったほどの人数ではなかった。
前方に見える三角錐が三嶺山頂 山頂からは360度の展望
山頂で30分ほど休憩をした後、西熊行きを決定。
膝と腰もまだなんとかいけそうだ!
今日は最高の天気。山頂では360度の展望を楽しみ、手招きしている西熊山への道を
まずは青ザレ目指して歩き出す。
山頂から一端、光石分岐への鞍部に降りて、青ザレの笹原へと登る。
西熊山の向こうに天狗塚と牛の背が見える
ここからは快適な笹原の稜線歩き。
前を見ても、後ろを振り返っても、どこを切り取っても絵になる風景が続く。
新緑のこの時期も良いけれど、コメツツジの紅葉の時期はまた違った景色に見えるだろう。
青ザレの西側から西熊。左奥には綱付森! 振り返って三嶺山頂を見る
青ザレ西側の急坂を降りきると、後は軽いアップダウンを繰り返し
コメツツジの小ピークで少し道は荒れるものの
それを過ぎると西熊山の、デーンと大きな背中が現われる。
ここから最後の登りとなる。疲れもピークにきているが、
最初の直登を登りきると、あとは北側への巻き道となり
鞍部から見上げた時ほどの勾配もなく、ゆっくりとだが歩き続ける。
北を望むと、烏帽子に矢筈 最後の鞍部から西熊の大きな背中が見える
笹に隠れた細い道を、足元を何度かとられながらも20分ほどで山頂に到着した。
三嶺に比べると、先客は一人だけ。
さっそく西側を覗き込むと、天狗塚がちょこんと顔を出している。
憧れの?オカメ岩の避難小屋も見える。
天狗さんが顔を出す 小さく赤い屋根が見える
山頂でおにぎりを頬張っていると、西から2組4人。東から一人が上がってきた。
その内の一人に写真を撮ってもらい、帰りの時間もあるので、30分ほどで山頂を後にする。
前を見ると三嶺が遠くに見える。いつもならため息が出そうな距離だけれど
今日は景色の素晴らしさが、それを忘れさせてくれる。
西熊山直下の人のいないところで、この雄大な稜線をバックに決めのポーズを撮る!
三嶺に比べると静かな山頂 疲れた体にシェーのポーズはキツイ!
鼻歌混じりの稜線歩きも、青ザレ手前の急登で現実に戻された。
数十歩歩いては大きく息をして、亀さん歩きで進んでいく。
三嶺の山頂が近づくにつれ、沢山見える人影がこちらを見ているようで
あんまり無様な歩き方は出来ないと、見栄を張るが、体力が限界に近い!
ピクピクし始めた腰に鞭打って、マラソンの時のような荒い呼吸になりながらも登っていき
なんとか山頂に到着した。
充分に水分補給をして下山に掛かる。下りはそれほど体力は要らないが
膝と腰への負担が大きい。降りるにつれますます腰の痛みが増してきた。
GWのせいかこの時間帯になっても、どう見ても一般の人、
といった若い人達が登ってくる。(足元は運動靴)
今日のこの天気ならまずは心配ないだろうが
余りにも登る時間が遅すぎる!などと老婆心。
ダケモミの丘で、観音寺から来た人と暫く話しこんだ後、最後登山口へと降りていく。

胸突き八丁、最後の登り 阿南工登山部の高校生
1時間30分ほどで登山口に到着。
でも既に腰が張れている。最後の駐車場までは、腰を抑えながら歩いていく。
久し振りの一人歩きも、思わぬ長丁場(約15キロ)となったけれど
疲れ以上に、稜線の素晴らしい景色を楽しむことができ、大満足の一日でした。
いつもならここが終点なのに まだ沢山の車が停まっていた
今回のGPSでの軌跡
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