■■ 三頭越 800m(琴南町)  ■■
師走の最中、日曜出勤の代わりに週末の土曜日に代休をとった。
夕方からは山の会の忘年会があるので、早めに帰ってこられる手軽な山を物色。
以前、「熊出没・注意」の看板にびびって行けなかった「風呂塔」に登ることにした。
いつものように国道192号線を貞光町を過ぎ、三加茂から南に折れ、県道44号線を走る。
桟敷峠を目指し快調に走っていくが、標高が上がっていくにつれ、側道に雪が・・・・。
騙しだまし登っていたがもう少しで峠にという所で、路面は真っ白になり、
タイヤがスリップして、ついに前に進まなくなってしまった。
桟敷峠の手前で進まなくなった。 見上げる峰も薄っすらと・・・
時刻はまだ10時を少し過ぎた頃、。
悔しいけれど冬装備をしていない車では限界なので、引き返すことにした。
山を下りながら、「さて、どうしたもんか〜」と考える。
帰り道、少し遠回りになるけれど「三頭越」の峠道を歩いてみることにする。
渋々Uターンして引き返す 吉野川北岸から振り返る
まだ「みかどトンネル」も、もちろん「三頭トンネル」もできていない頃
その当時よく一緒に山に出かけていた人と二人で、悪路を登った記憶がある。
もう20年以上も前のこと。記憶はほとんど残っていないが
峠で「おっぱい地蔵」があったのだけは覚えていた。
美馬から「三頭トンネル」を抜けて、直ぐに車道を折り返し、道の脇に車を停めた。
明神川に掛かる箸を渡る 橋を渡ると県立自然公園の道標
橋を渡ると県立自然公園の道標に「三頭越1.850m」と書かれている。
最初は整備された道筋だったが、そのうちに沢に大きな岩があふれ出し
たっぷり積もった落ち葉のせいもあって、所々赤テープを確認しながら歩くようになる。
台風によるものか岩がゴロゴロしている 道も不明瞭な箇所がある
道の途中には石仏が祭られ、その間に登山者が置いて行ったケルンもどきが
至る所で目に付いた。まるで賽の河原でも歩いているような雰囲気にもなる。
ただ道を上り詰めるにつけ、段々と前方が明るく開けてきて
谷から峠に近づいているのを実感できる。
所々に祭られた石仏 おでんの具のようなケルン?
何箇所かは渡渉する所もあったが、水の少ないこの時期は全く問題ない。
たっぷり積もった落ち葉の絨毯の上を歩いていく。
途中。にある道標が、残りの距離を教えてくれる。
先ほどの国道沿いにあった、電光掲示板の気温が5度だったが、
やはり登っていく内に暑くなり、1枚上着を脱ぐ。
沢をどんどんと上り詰める たっぷりと積もった落ち葉!
正面に稜線が見えると左に少し回りこむ。
そこからは尾根に沿って登っていくと「三頭越」に到着。
目の前に大きな鳥居が建ち、その向こうに目当てのお地蔵さんが・・・・
記憶では2対が並んで建っていたように思っていたが
「乳房地蔵」(あめのうずめのみこと)と「天狗地蔵」(さるたひこのおおかみ)は
お互いに向き合って建っていた。
天鈿女命(乳房地蔵)にタッチ 両側に額のある珍しい鳥居
久しぶりの再会にツーショットで 鼻の折れた猿田彦命(天狗地蔵)
峠は阿波から金毘羅への道として利用され、当時は茶屋もあったほど賑わっていたらしい。
東は寒風越えから竜王山への道、西は大川山に続く道、そして南は阿波への道と
この峠が昔からの要所だったのがうかがえる。
南に目をやると、雑木の向こうに少しだけ景色が見える程度で、ほとんど展望はない。
じっとしているとやはり体が冷えてきた。
バーナーでお湯を沸かして、コーヒーを飲むことにした。
ついでにコンビニで買ったクリームパンを頬張る。
暖かい飲み物がありがたい季節に。 意外と美味しかったパン
30分ほど峠でのんびりと過ごし、登ってきた道を引き返す。
平日の三頭越えの道は、誰一人会う事も無く、静かな静かな道でした。
約40分ほどで停めていた車の所に到着。冷えた体を温めに
直ぐ近くにあるエピアみかどに飛び込み、ゆっくりお湯に浸かって帰路に着きました。
寒風越えへと続く道 お別れに記念撮影
途中に残る石積み 何の建物があったのか
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